20代のすき焼き

 

十数年前のことだろうか。

研修で帯広に行った時、懇親会の会場として使われた すき焼き屋さん。

 

料亭ですき焼きを食べたことなどない20代の僕は、エラくその店の味に感動したのを覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

その後、

帯広に行った際、気になって何度か探してみたことはあるものの、なんともココの店だという確信が持てず再来店を逃していた。

 

当時 新人ホヤホヤの自分は、タクシーに乗せられて先輩について行ったきりで、自分で行った店じゃないから印象が薄い。

 

 

 

 

そして、

 

今、20代の時と同じような感動を味わえるかは疑わしい。

 

 

学生時代に「最高!」と思っていた飲食店も、

大人になってから行くと、「うーーーん、美味いけども。」という経験は何度もある。

 

 

味の好みも徐々に変わるし、舌も肥えたんだろう。

 

 

 

 

 

 

先の週末、このすき焼きを思い出すような、

お客さんとの出会い。

 

 

 

 

 

 

 

5年前に東京で整体に通っていた。

 

 

ここに行けなくなってから、

私の足は内側へと曲がりX脚になりました。

 

 

腰も痛くなり、体重も増えた。

 

以前のような感覚を。と、

たくさんの整体に通ったけど、以前のような感覚はなく・・・。

 

また、前のようになりますか?

 

 

 

 

 

という女性。

 

 

 

 

 

 

なりません笑

と、まずは笑って返す。

 

 

 

「 初恋と同じようなトキメキがないからとか言って、恋人が見つからない人みたいになってますよ 」と。

 

「 この経緯と同じにならないよう、今度は自分で良い状態を探しましょう。」

と。

 

 

 

 

 

 

 

主訴とその原因が自分の外にあり、

「自分がどのように感じるか?」という、質問には一切答えられない。

 

質問を通して、そのことに気づいていく。

 

 

 

 

 

 

ただただ、固有感覚によるゴルジロックスをテーマにしたワーク。

 

その中で、「あの時の!」と言う理想だけがそこにあって、

「今の自分はどう感じるか?」、固有感覚を全く使っていなかったことに気づいていく。

 

 

 

 

 

 

「こうありたい。」という理想に近づくには、

嘆くよりも何よりも、今の自分に気づき、一歩ずつ行くしかない。

 

 

プライベートワークを通して経験したことのある事実。

 

一緒に架空の理想へ向かうのではなく、

ただただ今に意識を戻していくガイドが必要だと言うことに確信を持って進む。

 

 

 

 

 

 

評価にいつもより時間をもらい、

どの部位をテーマにするかだけ、考え尽くした。

 

 

 

 

 

 

 

 

あれだけ何も分からなかった方が、

そこに気づき、歩行の中にまでその変化を感じ始め、「前とは違うしっかり歩く感じ!!」と喜ぶ。

 

 

 

 

 

結論は、

施術台はもう少しの我慢だと言うこと。