先を見越した関わり

施術テーブルが完成に近づいてきた。



木の枠が出来上がり、
この枠にピッタリハマる形で、畳が作られる。

まっすぐ作っているつもりでも、木材特有の捻れや歪みがある。新築の建物に収める畳でも、図面通りに作製するとハマらない事もある。


だから必ず現物に出向き計測すると、畳職人さんが、木枠が完成した我が家へ。




ミリ単位の歪みを、畳を敷くことで補正する。
そのための、細かな計測が始まった。






2つのテーブルの天板が合わさる部分が、内側の柱から5mmずつ飛び出すように。





柱の木材に歪みがあり、補うように作製した、
悩んだ末に少しだけ妥協したところ。



職人さんの目に留まる。

「 このまま畳を作っても、それなりのものは出来ます。」

「 ただ、本当にこのままでいいですか?ここまで手をかけて作ったテーブルだし、妥協の無い所までやってみませんか?」と。





計測を繰り返せば、料金が変わるわけでもない。
むしろ職人さんの手間が増えるだけ。

ただただ、良い物を作りたい!という志からの提案。




ただ多くの畳を売りたい人なら、
この言葉は出ない。

雇われで、
数字ばかり見られる環境では、この言葉は出ない。





売ったら終わりという話ではなく、作製への想いを組み、今後このテーブルを使っていく僕の視点に立った提案をしてくれる。


この人にお願いして良かった。
こうやって信頼は生まれていくんかと。



「 痛みが取れました!」

「気持ち良かった!」

という、
その場の要望にのみ耳を傾け、それだけで終わらないように。

対象者の今後の生活や人生を一番に考え、そこに必要なものを提供する。



という、
自分の志を、また改めて大事にしようと思うのでした。