2階建の建物。
手押し式のスライドドアを開くと、2台の整備中バイク。
その横にバーカウンターのようなものが並んでいる。
そこには常連客のような強面の人が1人、温厚そうな店主と思われる方と談笑していた。
「いらっしゃい」
と軽く声をかけられて店の奥に入る。
バイクウェアがずらりと並んでおり、右手の奥にはメットやグローブがある。
店主の人柄に定評があるバイク用品店。
バイク用品を見るのも楽しみだったけど、この方がどんな接客をするかも楽しみだった。
常連客が多そうな店に、明らかな新参者の自分が、訳も分からずウロウロとする。
怪しさ満点な状況 笑
常連客と談笑しながら、売り場の方に一緒に入ってくる。
しばらく視野に入れられながら、
たまたま近づいたところに、
「札幌?」
とだけ声をかけられ、
「そうです」
とだけ答えると、返ってきたのは笑顔だけ。
あとは、
「いつでも声かけて♪」
と言う雰囲気。
そのあと、
児島デニムが並んでいる所で足を止めていると、
「 かっこいいよね〜。」
とまた声をかけられた。
「 いや実は、このご縁もあって来てみたくなって〜」
と、岡山の話になる。
バイクの話ではなく、店主の岡山好きエピソードが始まる。
なんだか楽しく話を聞いてると、
自ずと来た目的、メット選びについて相談を始めた自分。
「 バイクの種類にもよるけどねー。」
「 安全性を考えるなら、AraiかShoei。」
この2つのメーカーについて、市内で取り扱っている店や、ネットが有利なこと、メットの昔の話を教えてくれた。
「 ・・んだから、ウチには置いてないんだけどね。」
売る気ない!?
コチラが必要な情報だけを選んで話してくれていた。
「 自分はこんなバイクだから・・」
あ、また自分から話し始めた。
「 そいえばデッカい車乗ってるよねー、仕事で使うの?」
って。
全てが自然。
接客が基本苦手な自分が30分以上の談笑。
自分のことをいっぱい話した。
だって、与えられてるから自然に。
そんな時間を過ごした後に、
「 それだったら、コレあげるから。」
「 見てみて〜カッコいいからー」
って。
頂いたのはカタログ。

めっちゃ好みでした。
自分のバイクにもぴったり。
高いけど!
こうやって心って動いてくんだと。
ヤバい、ヤバい。。
・・・接客の達人。
ほとんど質問はされてません。
対象者に良いサービスを提供するためには、
相手を知らなければならない。
そこで相手に質問をするのではなく、
まずは自分から必要な情報をなんでも与える。
そして、ちょっと関係ない話から始まり、徐々に情報を得る。
そして更に与える。
そして何より、楽しいと言う感情を共有する。
そして、
「こうだったら、こんな感じ。」
「もしこうだったら・・」
ってトーク、いただきます♪
コレって与えるでしかない。
とにかく与えられ続けた時間。
そこから得たのは、信頼。
何かあったらココに相談しよう、と思わされてしまいました。
さて自分はどうか。
また対象者に質問ばかりを投げかけてないだろうか。
もっと楽しく話、
相手が話たくなるような主体性を尊重できているだろうか。